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実際の仕事の分担について、正社員が行なう(「正社員のみが行なう」+「正社員が主に行なう」)の比率が60%以上となっている仕事を比率の高い順に挙げると、次のようになる。
上位に挙げられた仕事は、その性質上、正社員が主に行なうことが当然と考えられるものが多い。 とりわけ「企業秘密や顧客の機密事項を扱う仕事」「取引先や顧客との交渉が必要な仕事」、「正社員に対する指揮命令をともなう仕事」、「研究開発や新製品の開発にかかわる仕事」「正社員のキャリア形成に欠かせない仕事」は、主として「正社員のみが行なう」仕事となっている。
いいかえれば、それら以外の仕事は、多少なりとも非正規労働者が従事していることがわかる。 一方、非正規労働者が行なう比率(「非正規労働者のみが行なう」+「非正規労働者が主に行なう」)が高い仕事は、次のようになる。
すなわち、作業方法が標準化されているなどから技能がなくてもすぐに人材を配置できる仕事や需要変動が大きな仕事、さらには深夜勤務や3K職場など正社員の確保に苦労するような仕事で、非正規労働者の活用が多くなっている。 しかしこれらの仕事は、非正規労働者が行なうとされた比率が高いものの、その比率が50%をこえるものはなく、正社員と非正規労働者の「いずれも同様に行なう」の比率も多く、他方、「非正規労働者のみが行なう」とした比率も少ない。
つまりこうした仕事には、正社員と非正規労働者の両者が従事している職場が多いといえる。 次に、正社員と非正規労働者の望ましい分担のあり方と実際の分担を比較しよう。
同表は、望ましい分担と実際の分担の両者について正社員が行なう(「正社員のみが行なう」+「正社員が主に行なう」)の比率が高い業務を抜き出したものである。 これによると、望ましい分担と実際の分担の差が小さいことがわかる。
つまり現状における正社員と非正規労働者の仕事の分担のあり方は、労働組合の立場からみても望ましい分担に近いと考えられる。 しかし、「正社員のみが行なう」比率に着目すると、「正社員のキャリア形成に欠かせない仕事」や「技能修得に長い勤続を必要とする仕事」など長期のキャリアを要する仕事に関しては、望ましい分担のほうが実際の分担より比率が高くなる。
つまりこうした仕事では、非正規労働者の活用を減らし、正規社員のみとすべきと考える労働組合がやや多い。 他方、「生産設備や機械の保守にかかわる仕事」では、「正社員が行なう」と「正社員のみが行なう」の両者の比率が、実際の分担に比べ、望ましい分担のほうが低くなる。

保守業務に関しては、非正規労働者の活用を現状よりも拡大することを望ましいと考える労働組合が多くなる。 さらにデータは示さないが、望ましい分担に関する「非正規労働者が行なう」の比率(「非正規労働者のみが行なう」+「非正規労働者が主に行なう」)に着目すると、「短時間ですぐに仕事につけるような仕事」(50.6%)、「労働需要の変動が大きい仕事」(37.9%)、「作業方法や内容が標準化されている仕事」(37.6%)などでは、その比率は実際の分担の比率を上回っている。
つまりこうした業務では、非正規労働者の活用拡大が望ましいと労働組合が考えていることになる。 「正社員が行なう」は、「正社員のみが行なう」と「正社員が主に行なう」の比率の合計。
正社員と非正規労働者が従事している仕事に求められる技能水準調査対象事業所の主要製品を生産している職場を取り上げ、正社員と非正規労働者が従事している仕事に関して技能水準を比較しよう。 技能水準を測定するため、もっとも長期の訓練を要する仕事、もっとも短期の訓練を要する仕事、平均的な訓練期間の仕事の三つを取り上げ、それぞれについて新人が配属された場合、どの程度の期間でその仕事をふつうにこなせるようになるかをたずねた。
この期間が長いほど、高い技能が求められる仕事と判断できよう。 まず「もっとも長期の訓練を要する仕事」では、正社員の場合、「1年程度」(25.2%)や「3年程度」(239%)が多く、「1年程度〜5年以上」の合計が約6割、6カ月程度まで含めると7割強に達している。
一方、非正規労働者の場合では、「3カ月程度」(18.5%)、「1年程度」(16.2%)など、全体の6割強がく3〜4週間から1年程度」となっており、全般に訓練期間が短くなる。 「もっとも短期の訓練を要する仕事」では、正社員の場合でも、「数日」(33.1%)や「1〜2週間」(21.7%)など、大半がく1カ月以下」の訓練期間である。
他方、非正規労働者では、「数日」(47.1%)が半数近くを占め、「1〜2週間程度」(22.6%)が続くなど、正社員よりさらに短いものも多いが、「もっとも長期の訓練を要する仕事」ほどの開きはない。 「平均的な仕事」では、正社員の場合、「3カ月程度」(24.5%)、「3〜4週間程度」(18.8%)、「1〜2週間程度」(16.6%)で6割を占める。
非正規労働者の場合は、「1〜2週間程度」(25.8%)、「3〜4週間程度」(24.8%)、「数日」(16.9%)など、全体の3分の2は<数日から1カ月程度」の訓練期間となっている。 以上によれば、正社員や非正規労働者が従事している仕事に求められる技能水準を比較すると、正社員のほうが非正規労働者よりも高いと判断できる。
非正規労働者が配置されている仕事のなかで「長期の訓練を要する仕事」であっても、その仕事に求められる技能水準は、正社員が配置されている仕事のなかで「長期の訓練を要する仕事」に求められるものよりも低い。 非正規労働者の活用に関する労働組合の発言労働組合は、非正規労働者の雇用や活用に関してどのようにして発言しているのか。

この点を取り上げよう。 その前に、生産計画や正社員の要員数に関する発言をみよう。
調査では、「事業所の仕事量に影響を与える生産計画」と「事業所全体の正社員の要員数」に関する労使協議の場における労働組合の発言の実態を調べた。 「生産計画」では、「協議決定」が13.1%、「協議」が41.4%で、両者を合わせると5割強となり、「報告」が40.1%、「何もしていない」が2.5%となる。
生産計画に関して労働組合の半数は、発言を通じて一定の影響力を行使していると判断できよう。 他方、「事業所全体の正社員の要員数」では、「報告」が51.0%と半数を占め、「協議」(33.4%)と「協議決定」(10.2%)が少なく、「生産計画」に比べると、「正社員の要員数」に関しては労使協議での発言の程度が弱くなる。
次に、非正規労働者の活用や雇用に関係した事項に関して経営側から報告を受けたり協議したりしているかどうかをみよう。 報告を受けたり協議したりすることがくある」(「よくある」30.3%、「たまにある」38.2%)とした労働組合は68.5%となり、「ない」(「あまりない」15.6%、「ほとんどない」12.4%)を大きく上回る。
つまり労働組合の多くは、非正規労働者の活用や雇用に関係した事項に関して経営側から報告を受けたり協議したりしている。 では、こうした報告や協議に際して、労働組合は、どのような関心をもつて取り組んでいるのか。

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